相続登記が義務化。もうほったらかしにしておけない!

この記事の要点

  • 不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請を義務付ける。
  • 正当な理由のない申請漏れについては、過料の罰則がある。
  • 施行されるのは、公布後3年以内の政令で定める日
  • 申請義務化に合わせて、申請者の負担を軽減する措置も導入される。

相続登記の義務化

令和3年4月28日に民法等の一部を改正する法律(民法等一部改正法)が公布されました。

その中で、今まで任意であった相続登記が義務化されることになりました。

具体的には、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付けるという内容です。

今回の相続登記義務化の背景には、昨今問題となっている所有者不明土地(不動産登記簿により所有者が判明しない土地や所有者の所在が不明で連絡がつかない土地)の深刻化にあるようです。

ペナルティは?

正当な理由なく相続登記を行わない場合には、過料の罰則があるということになります。

どれくらいの金額になるのか、3年以上経過したらどのタイミングで科せられるのか、といった具体的な内容については今のところはっきりしません。

いつから?

原則として公布(令和3年4月28日)から3年以内に施行されることになります。

具体的に日付については、今後政令で定められる予定です。

相続登記義務化に合わせた負担軽減策

今回の相続登記の義務化に伴い、より相続登記をやりやすくするためにいくつかの負担軽減策が導入される予定です。

  • 相続人申告登記の新設(申請義務の履行手段の一つとして、相続人が登記名義人の法定相続人であることを申し出る方法。単独で手続可能かつ添付書面も簡略化される。)
  • 登録免許税の負担軽減
  • 所有不動産記録証明制度の新設(特定の者が名義人となっている不動産の一覧を証明書として発行。相続登記が必要な不動産の把握が簡単になる。)

それぞれの制度の詳細については、今後分かり次第記事にしていく予定です。

相続登記の放置にメリットなし

これまでは、相続登記の手続きが面倒であるとか費用負担を節約したいという理由から、特に緊急性がない場合には相続登記を放置してきた方もたくさんおられると思います。

しかしながら、今回の相続登記の義務化により、相続登記を放置することにはデメリットしかなくなりましたね。

実際に義務化されるのは2~3年後ではありますが、今のうちにきちんと名義変更をしておいた方が良いでしょう。